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2015年2月28日 (土)

高血圧で薬を飲むな?

大櫛陽一『高血圧のほとんどは薬はいらない!』の提起したもの

 2009年の冬からノルバスク・ブロブレスそしてアーチストを服用するようになった。降圧剤だ。初診血圧が188-128だったので致し方なかった。それ以前から健診で高血圧を言い渡されて血圧は測っていた。2006年8月から記録が残っている。上がったり下がったりで少しずつ上がっていった。
Photo_4 その頃からいくらかの疑念を持ってはいた。高血圧を決定する基準が誰でも同じというのはどうか。人間には個体差があるだろう。血圧が高くて具合が悪いということはなかった。それでも医者が言うのだから薬ぐらい飲んでおこう。だが最近米寿を過ぎた母の血圧が高いことが判明。なにしろ老人だから医者に連れて行くのも大変だし、無闇に薬を飲ませて良いものか心配なのだ。いろいろ迷っているなかで出会った本が大櫛陽一著『高血圧のほとんどは薬はいらない!──50歳・男性で155は正常値』(角川SSC新書)だった。
 この本で様々な疑問が解けた。
 2014年4月に日本人間ドック学会が健康診断の新基準を発表した。血圧の基準は上(収縮期)を147mmHg、下(拡張期)を94mmHgとした。ところが現状の基準129-84を死守したい日本高血圧学会が反発、人間ドック学会は事実上撤退した。何故か? 著者は人間ドックの受診者の多くは「特定健診」の補助金を使っており、厚生労働省が新基準を黙殺したため、新基準範囲を使うと補助金対象でなくなるためだ、と書いている。
 1999年まで、高血圧の基準は「年齢+90」以上だったのだ。それが、新しい降圧剤がどんどん開発されたため、これらの商品の売り上げを伸ばすために130-85以上は高血圧という単純な規定が出来てしまった。製薬会社と医学界の癒着である。
Photo_5 著者は〈日本では今でも製薬会社と医師の経済的な癒着が続いています。〉とし、血圧に関しては、降圧剤の臨床治験にノバルティスファーマ社が11億3290万円、武田薬品工業が37億5000万円を提供しているという報道を紹介している。全体としては莫大な金額が動いているようで、血圧学会の示したガイドラインは信用できないのだ。
 アメリカでも1990年代には「高血圧マフィア」の影響で日本と同様の低いガイドラインが作られたようだが、2010年に製薬企業などが医師や大学等へ利益供与する場合の報告・公開が厳しくなったために、2013年から診療ガイドラインの改訂が相次ぎ、血圧に関しては基準が年齢別に制定された。因みに60歳以上は150-90とのことだ。日本の基準よりはずっと高い。
 著者やその他の医師たちの研究によると、長寿者で自立度の高い人ほど血圧が高い。それでも高血圧症がないわけではない。180-110が一日続く状態が本当の高血圧の平均値だ。著者は年齢ごとの性別年齢別の基準範囲を作成して表にした。
 降圧剤を飲んで血圧を下げても、健康に良ければまあ良いのだけれど、降圧剤の弊害は脳梗塞の発症など甚大だ。我々は製薬会社-医学会-厚生労働省の癒着に命を差し出しているのかも知れない。恐ろしいことだ。そう言えば生命保険の勧誘員が、私が血圧の薬を飲んでいることを知るとすごすごと帰って行ったことがある。ひょっとして降圧剤が命を縮めることを知っていたんじゃないか、と疑いたくなる。

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