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2011年10月22日 (土)

詩 霧雨

      一時間ほど残業して、協力会社の来社を待ち
      急ぎの仕事の手配をして
      トイレの窓から息を吸い込むと
      もうこの時間ではすっかり暗くなってる空が、濡れているようだった
      
      社員通用口から外に出たら
      案の定霧雨が降っていた
      先日買ったばっかりの大型折りたたみ傘をリュックから出した
      バスの時間に間に合わなかったので
      少し離れた別のバス停まで歩きながら
      放射能の雨かも知れないのに
      妙に晴れ晴れした気持ちの私は
      今朝降格を言い渡されたためだと知っていた
      
      基本給が下がると 定年の遠くない私は
      二〇〇万円位は退職金が下がるかも知れないなどとせこいことを考えながら
      バスに乗り 列車に乗り
      年老いた母の待つ家のある駅で降り
      また傘をさして たいした雨でもないななどと
      不見識な思いに囚われて
      建築現場の間の路地から わが自転車駐輪場へと入って行き
      自転車にまたがって前の籠に縮めた傘を放り込んでしまった
      
      三月十一日は真っ暗だった同じ街だが
      霧雨の降るなかでも街灯が朱く連なって先を照らしている
      国道を渡り 市役所前を走っていくと
      黒い帽子の庇があってもメガネのレンズが濡れてきた
      細かい雨はやがてびっしりと私の身体を包み込んだ
      放射能の雨かも知れないと思い出して
      脇道に入ってから一旦自転車を止め また折りたたみ傘をさした
      
      業績の悪い会社が私の給料を減らしたとしても
      放射能の雨で汚染されるのは厭だなと
      道路交通法違反の傘差し自転車運転と知りながら
      唾をペッと吐いて走り出した

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「詩」カテゴリの記事

コメント

評論家が詩を書き始めたことをどう評価するか、難しいが、なかなかの詩だと、読んだ。

先週の金曜日と今日、新大久保で韓国国政選挙に関するアンケートをした。
店を訪ねるのだ。

それ以外に、グルナビとか食ベログを使って、韓国料理屋とか、焼肉屋を回っている。
歩くのは発見。

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